培養土の素材について
まず初めに。
私が実際に使用している
サボテン、多肉植物、球根類の培養土を説明していきます。
寄生植物や腐生植物に必要な培養土の素材については
培養土そのものが必要なかったり、非常に特殊な物になるので
ここでは述べません。
また、食虫植物に関しても、私の場合はミズゴケ単用か
ピートモスや鹿沼土のように酸性に傾いた用土のみですので割愛します。
それでは、素材選びにいきましょう。
私の考え方として、まずはあまり高価なもの、、、使いません。
どうせ数年後には廃棄してしまうものです。
後は
入手が困難になったりしないように近場で安定して入手しやすい物から選びます。
せっかく決まった培養土の再構築も面倒ですし(笑)
↑ここまでは私の都合でしたが、、、↑
サボテンや多肉植物の根は空気を好みます。
ですから通気性の良い多孔質でなおかつ排水性の良い素材を選ぶことになります。
そして1種類の素材の単用ですと酸度の調整がしづらかったり
微量要素の吸収に弊害が出る場合があるので肥料分は別として
2~3種類の素材を混合するようしています。
30数年の栽培歴の中で特に生育に重要だと思ったのは
素材の質でも肥料分でもありません!←ココ重要
かつては手に入るもので良さげに感じたものはすべて入手、
それこそ天然物から人工物まで様々な素材を試してきましたが
入手難になったりしたものもあったり、コスト的にも無駄があったり、、、
結局、環境さえ整えばそんなに凝った配合にしなくても
「生育は大して変わらん」との結論に達し
現在はいたってシンプルな物に落ち着いています。
培養土は標準的なものでいいんです。
一番我が家の栽培環境で重要だったのは酸度調整
季節に合わせた土中と水のpH(ペーハーと読む)管理だったからです
素材の用意
さて、ということで
いたってシンプルな私の培養土ですが、こだわっている部分もありまして
配合したあとに中性に近い弱酸性(約pH6.5)になること、
これが最低条件になります。
「ちょっと待って!!
サボテンは石灰岩地帯に自生するものが多いから
アルカリ性の培養土が良いんじゃないの??」
確かにそうですね。
でもちょっと待ってください、、、
別記事 サボテンの実生、栽培ノウハウ に詳しく書いてありますが
培養土作成の為のヒントを出します。
サボテンが生育する時期の水、要するに雨ですが
そこまで考えたことありますか?
自生地の雨季はpH3~4の強酸性の雨になることだってあるんです。
話がかなり脱線しちゃいましたね
培養土の素材でした、、、
上記の理由から用意するものは
・硬質赤玉土 小粒 (約2~5mm程)
・硬質鹿沼土 極小粒 (約2~3mm程)
・軽石砂 小粒 (約2~5mm程)
・バーク堆肥か腐葉土
・馬糞堆肥
・マグァンプK
基本はこれだけです。
その他、植物に合わせて配合を変える必要がある場合に備えて
物置の中に隠し持っている物に
・バーミキュライト
・パーライト
・芝の目土(肥料分の入っていない赤玉土微粒のみのもの)
・ピートモス
・ミズゴケ
があります。
特に変わった物は無く、一般的に使われているものばかりです。
あ、馬糞堆肥だけはちょっと珍しいかもしれません。
が!腐葉土に多少混ぜてあげると
根の張りが抜群に良くなります
配合
いよいよこれらの材料を混ぜるのですが
赤玉土がかなりバラツキがあるのでその他の素材も合わせて
最初にふるい分けをします。
ふるいはステンレス製の園芸用5mmの網目と
キッチン用品売り場に置いてある1mm弱網目の小麦粉用のふるいを使ってます。
これで5mm以上の粒と微塵をより分けるのですが
より分けられた5mm以上の粒は鉢底用に使います。
また細かな微塵は私はあまり丁寧には抜きません。
目詰まりするようでは困りますが、微塵は必要との考えですので
軽くササッとふるうくらいです。
私が栽培上感じた事で科学的なデータではありませんが
微塵が少ないと、とにかくふっくらしたキレイな苗になり
原産地のような締まった姿になりづらいです。
微細な根張りも悪いようで拗れた場合の復活が悪く感じます。
よく栽培書なんかには微塵はよくふるって抜けと書いてありますが
少なくとも私の環境では微塵はかなり重要な位置を占めています。
あぁ、、、また話が逸れてしまった、、、、、話を戻しますね。
赤玉土と軽石砂はこの両方の作業をしますが
鹿沼土は粒がかなり揃っているので微塵を軽く抜く作業のみです。
これでやっと混ぜる用意が整いました。
さて配合に参りましょう。
比率ですが、厳密には計っていません。
空いているプラ鉢、私は3号鉢が使いやすいです
これで、用意した素材を掬っています。
・赤玉土 2杯
・鹿沼土 2杯
・軽石砂 1杯
・バーク堆肥か腐葉土 1杯
・馬糞堆肥 0.3杯
・マグアンプK 大さじ1杯
この比率で素材の片寄りがなくなる程度まで混ぜた後は
用意した素材がなくなるまで、ひたすら同じ作業を繰り返します。
基本の培養土はこれで出来上がりです。
一応、この後にpHメーターを使って酸度を測りますが
いつも大体pH6.5~6.7に収まっているので良しとしています。
ちなみにpH7が中性です、、、蛇足ながら、、、
後は植物の種類に合わせて多少手を加えたりはしますね
例えば、根腐れしやすい品種等で
通気性を増やしたい場合はパーライトを加えてみたり、
酸性土壌を好む植物で
酸度をあげたい場合はピートモスを加えてみたり。
私が栽培しやすい培養土はこの配合に落ち着いて
もう20年以上になります。
まとめ
とにかくこの作業は当然外で行っていますが
土埃に全身まみれるので、
あらかじめ風呂の用意をしておいてください。
以上!!
ではなくて(笑)
一見大変な作業に感じるかもしれません
しかし、大事な植物達が元気に育つ姿を思いながら
培養土を作る時間も楽しいもので
私は園芸の醍醐味のひとつだと思っています。
でも現実的にはスペースや時間の関係で
市販の培養土を使わざるを得ない人も沢山居ると思ってます。
そんな人たちにも培養土の内容にも目を向けて貰い
栽培のヒントになればと思い、自分の配合を公開してみました。
素材に関しては
培養土の素材一覧 を参考にしてくださいね。