培養土の素材一覧
一般的に多く使用されている素材の種類と
簡単な特徴の便利な一覧表を作ってみました。
この記事では通販にて購入できるリンクも掲載していますが、
お近くのホームセンター等で入手できるならそちらの方が安価で入手可能だと思われます。
もし入手しづらい物があった時にご利用くださいませ。
素材一覧
大雑把に分けて、砂系、玉土系、軽石系、苔系、人工素材に分けられます。
他にも多種多様の素材がありますが、
主に使われるものや、私が使用経験のあるものを順に説明していきますね。
名称に関しては産出する地名が使われることが多いです。
素材を入手されましたら、こちらの記事も参考にしてみてください。
砂系
・矢作砂
元々は矢作(やはぎ)川で産出していたものですが、
近年採取困難となり別の川で採取された物も矢作砂と呼ばれています。
石英質の石が風化したもので珪酸分も豊富で水はけが良いのが特徴です。
重たいのが難点ですが、昔のサボテン培養土はこれが基本になっていました。
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・大磯砂
魚の飼育水槽の底にひかれることが多い海砂です。
砂利の細かな物なので水はけは良いのですが水もちが悪いので
現在はほとんど園芸には使われません。
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・左官砂
左官屋さんがモルタルを練る際にセメントと混ぜる砂ですが
これをよく洗浄してから使う栽培家もいます。
ある種の球根は現在主流の玉土系より
重さのあるこの砂を使うことで、丸々と太った形の良いものになることが知られています。
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玉土系
・赤玉土
培養土のメインはこれ一つと言ってもいいくらいよく使われているものです。
焼成した焼赤玉土や硬質赤玉土等、何タイプかありますが
硬質タイプが溶け崩れることも少なくおススメです。
窒素含有量が少ないですが、水はけ、水もち共に優れていて
海外でもロームと言われよく使われています。
クセも無く、とにかく使いやすい土で、なくてはならない素材の一つです。
私の培養土もこれが主軸の一つになっています。
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・鹿沼土
次の桐生砂と一緒に軽石系に入れる人もいるかもしれませんが
指でつぶせるくらいの柔らかさなのでこちらに入れちゃいます。
弱酸性ですが赤玉土とならんで水もち水はけ共に良く
これも主役の一つと言えます。
赤玉土と同様に硬質タイプがおススメです。
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・桐生砂
国内産の地性ランの栽培家がよく使っています。
価格が少々高めなのでサボテン、多肉にはあまり使われてはいませんが
鹿沼土より多少堅さもあり粒が崩れにくいので好んで使用する栽培家もいます。
私が使用したときは鹿沼土より若干根張りが良いように感じました。
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軽石系
・軽石砂
白色で多孔質の火山性の石です。
ほぼ中性で堅さもあり使いやすいのですが、やや乾きやすい傾向にあります。
私は補助的に使用しています。
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・富士砂
ほぼ真っ黒の溶岩砂です。
培養土の表面に化粧砂として使うと植物が非常に映えるのですが
噴火の時の亜硫酸ガスが残留しているため使いづらいとの噂もあり
避けている物のひとつです。
一度使ってみた結果、先入観も関係しているのでしょうが
気持ちの問題程度、根張りがあまり良くなかったように感じました。
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・ゼオライト
火山性の天然物と人工物とがあります。
どちらも土中や根から排出される有毒物質を吸着するとのことで
土壌改良材として利用され、根の活動の活性化を図ると言われています。
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苔系
・ミズゴケ
食虫植物には生きている生ミズゴケが使われることがありますが
圧縮乾燥させたものが一般的です。
保水性は良いのですが乾燥してくると縮むので
土を乾燥させる必要がある植物の場合根を痛める可能性があります。
食虫植物や常に湿った土を好む植物には必需品です。
また、あまり知られてはいないので内緒の話、、、
サボテンや多肉植物の挿し木の発根促進とシンニンギア属の実生には
絶大な効果を発揮します。
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・山苔
ほとんど使われませんし、私も未経験なので商品の紹介だけ、、、
もし使っている方がいましたらレポートいただけると嬉しいです。
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・ピートモス
割と強い酸性なので食虫植物や酸度調整材として使っています。
ただカラカラに乾かすと水をはじいてしまうのが難点です。
市販の園芸の土に結構使用されています。
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人工物
・バーミキュライト
蛭石と呼ばれる天然鉱石を800℃ほどで加熱処理したもので
保水性、通気性、保肥性に優れています。
ほぼ無菌なので挿し木用土や実生用土としても使えます
私の奇想天外の実生表土は絶対これです。
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・パーライト
黒曜石を高温焼成したものです。空気を含んだ非常に軽い多孔質のビーズ状で
排水性・通気性に優れているので土壌改良材として利用されています。
また、水分も蓄えることで保水性と排水性と両立させる働きを期待できます。
イオン交換性も認められ中に取り込まれた水分はミネラル水となり、
根腐れ防止の効果があります。
私も多少工夫して使いますが、中々の優れものですよ。
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・イソライト 現在入手困難かも、、、
珪藻土をペレット状に成形し高温焼成したものです。
以前、メーカーからモニター使用させていただいた時に
色々な使用法を報告する必要があったのですが
培養土に混入する場合には全く問題なく、生育も良好でした。
しかし実生の表土や挿し木の苗床のような単用での使用は
発芽、発根ともに良好な反面、根が土中に潜り込まず
浮き上がってしまう性質があるので使いづらい一面もあります。
素材自体は劣化も少ないので期待できる素材です。
配合用土
・サボテン、多肉植物の土
良くも悪くも平均的です。
それだけ使いやすいともいえますが
栽培に目的(例えば自生地並みの風格を備えた苗を作りたいとか)
を持たせたい場合はひと手間加える必要があります。
私の環境ではちょっと乾きが早すぎかなという印象です。
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・挿し木、挿し芽の土
球根類の実生小苗に時々利用しています。
根張りも良く植え替え後の生育開始も速いので
時間の無い時に大量の苗を植え替える必要に迫られた場合に重宝しますね。
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・球根の土
上記とほぼ同様の使い方ですが
更に、自分の培養土が足りなそうな時に
自家製の培養土と混ぜて使ったりもします(笑)
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NEW!・ゴールデン培養土
最近のお気に入りです。
歳と共に横着になっているのかもしれません。
多少、赤玉土を加えたり、調整はもちろんしますが
これ中心で充分まかなえてしまうかなぁ、、、と言う
逸品だと個人的に思っています。
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肥料、その他
・腐葉土
堆肥の1種で土壌を通気性・保水性・保肥性に優れたものに改良します。
樹木の葉っぱや枝が微生物に分解され土状になったものです。
根に有用な菌類を培養土中に保つ為の有機質や肥料分として
非常に優秀なのですが科学肥料のように劇的な効果は期待できません。
注意点としては充分に腐熟がなされていない物も偶に見かけますので
購入時には注意が必要です。
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・バーク堆肥
枯れ葉や落ち葉を発酵させた腐葉土に対して
樹木の皮を原料とした堆肥がバーク堆肥です。
私は良質な腐葉土が入手出来なかった時の代用品として
広葉樹皮のバーク堆肥を利用しています。
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・牛糞堆肥
サボテン多肉植物栽培でも定番の有機肥料ですが
腐葉土と馬糞堆肥のミックスで安定して使えるようになったため
私は現在使用しておりません。
また一説では塩分含有量が他の有機肥料よりも多いという話もあります。
これはペレット状で使い勝手もよくおススメ出来る物です。
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・馬糞堆肥
詳しい科学的な分析や、
サボテン多肉への使用例が少なく外部のデータ取りは出来ていませんが
私の栽培には無くてはならない有機質肥料です。
牛糞堆肥や腐葉土と比べても圧倒的に根張りが違います。
しかしこれ単用では強すぎる感じなので腐葉土と混ぜることで
良好な結果を得ています。
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・マグァンプK
長期的に効く化学肥料の定番。
急速に効果が出やすい(=肥料焼けなどのリスクが高い)化学肥料の中で
この肥料のユニークかつ優れているところは
根が出す酸によって肥料分が溶け出し
植物が必要なだけ吸収出来るという部分で
肥料分過多で根腐れしやすい植物にはうってつけの化学肥料といえます。
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・ハイポネックス
これも液肥の中では定番。
花後や採種後に1000~2000倍くらいに希釈して使います。
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・HB101
ヒノキ等から抽出したサポニンが主成分となっています。
肥料とは違いますが、植物に元気がなくなった時や生理障害が出た時に
うちでは特に効果を発揮しています。
少々高価なのが玉にキズですが、これは良いです。
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・メネデール
植物活力材として有名ですね。
劇的な効果は確認しづらいですが、うちでは希釈したものを
シリンジ(葉水、植物に霧吹きすること)することで効果を出しています。
また、鉄分を好むソテツ類に与える活力材として有効なものです。
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まとめ
近くで購入出来なかったり、運搬手段が無く購入しに出られない方のために
通販で入手出来る物を紹介させていただきましたが、
一応自分が試したものをご紹介しました。
培養土は栽培環境と並んで重要な物です。
長期間良好に元気な植物と共にすごす時間を持つ為に
僕は自作でも市販品でも結構だと思います。
自分の環境に合った、栽培しやすい培養土を持ってくださいね。