コノフィツム ブルゲリ ( Conophytum burgeri ) 雑感 このデリケートな植物

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コノフィツム ブルゲリ ( Conophytum burgeri ) 雑感

 

Conophytum burgeri 

ブルゲリに関してはもう購入しなくても

自家採種で世代交代を重ねるまでになりましたが

いまだに思い入れの深い特別な1種であることは間違いありません。

 

そこで、ブルゲリに関して

自分が栽培を通して感じてきたことをまとめてみようと思います。

 

 

ブルゲリとの出会い

 

ブルゲリ、、、この脆く美しい植物出会ったのは

サボテン、多肉植物栽培を始めて間もない頃、もうかれこれ数十年前になります。

 

今ほどネットも普及しておらず、

多肉植物の情報を得るのはもっぱら当時入り浸っていた

地元の専門園でしたが

 

そこの園主に

「そらりすさんももう少し栽培に慣れたらこれもやってみな!」と

見せてもらったのがきっかけでした。

 

 

ひとめでブルゲリに取り憑かれた瞬間でもありました。

 

これが作り物ではなく、本物の生きている植物??

 

それは植物とは思えない程の透明度、

富士山をコンパクトにしたような均整の取れた形、

どうみてもツヤツヤとハリのある球体のほとんどが水分、

乾燥地帯に生息している植物とはとても思えず

 

初心者だった私にはとても栽培できそうにないくらい

難物に思えるほど、脆くデリケートに見えたのです。

 

そこからはおそらく多肉植物を栽培している人と

同じ道を辿っているかと勝手に思っています。

 

寝ても覚めても思うことは、

 

ブルゲリが欲しい!

 

この一言につきましたww

 

そして「まだ早いよ」と言う園主の制止を振り切り

無理矢理購入するまで大して時間がかからなかったのは

言うまでもありません。

 

 

 

 

悪戦苦闘の日々

 

出会いから同居まで最速に近いスピードでお迎えしたブルゲリですが

 

性格がわからないままの同居と

むこうにしてみたら

扱いもわからないヤツの元、慣れない環境で疲れ果てたのでしょう

 

最初のお別れもあっと言う間でした

 

でもそんなことで諦められるはずもありません

次に入手できるまでには環境を整えなきゃ!とばかりに

アルミサッシの廃材を集め、

一坪ほどのちいさな自作温室を猫の額ほどの庭に設置したのも

確かこの頃でした。

 

そんな廃材プラス自作という欠点だらけの温室でも効果は絶大で、

ブルゲリに限らず、いままで成長しているんだかどうだかわからない

植物達も肌色を変化させて動き出したのです。

 

他の植物同様、今度こそは、と再度入手したブルゲリ

球体に張りが出て透明度も増し

あの美しい姿をわが温室内でも見せてくれるようになりました。

 

思えばこの頃に色々な植物の扱いが分かりだし栽培のコツを

掴んでいったように思います。

 

そしてなんとか無事に1年を過ごしたブルゲリは次の成長期に

初の開花もさせることが出来まして、そうなると更に欲が出てきます(笑)

次は自家採種による繁殖、大量栽培してやると意気込んだものでした。

 

 

栽培に対して思うこと

 

他の記事でも書いているかもしれませんが

あくまでもうちの環境で自分が体験して感じたことを書いていますので

違う環境下では当てはまらないことも多々あると思います。

 

ブルゲリは難物でしょうか?

 

私もそれなりの数はダメにしましたし

ちょっとしたコツは必要なので

多肉植物の栽培初心者には少々扱いづらいかもしれません。

 

でも色々と失敗話を聞いていると

もう一歩でコツをつかめるのになぁ、、と思うことも多いです。

 

例えば

ブルゲリは蒸れに弱く根際から腐りやすいとよく言われますね。

 

確かにちょっと押せば潰れてしまうくらい繊細な球体ですし、

日本の高温多湿の夏は現地にはないものですから

国内で栽培する以上腐りやすく思われて当然かもしれません。

 

しかしながら

その危険度は他のメセン類とくらべても大差ないように感じます。

 

多種と比べてもけして難物というわけではなく

視点をかえて扱い方を見直すことで元気に育ってくれます。

 

球体が持つイメージから腐りやすいと思われている部分もあると思いますし、

かつては比較的に蒸し暑い環境を好む

サボテンと同じ温室で栽培されていたことが多かった為に

根際からダメになる例が多かったのではないでしょうか。

 

大部分の多肉植物を上手く育てるには、サボテンよりも通風を必要とします。

ブルゲリも例に洩れず、空気が動くことはとても大切です。

 

その上での話になりますが、結論から言ってしまうと

ブルゲリは水切れさせてはいけないくらい、水が大好きです。

 

 

私はブルゲリに関しては

他のメセン類よりも根が乾いてしまうことを恐れています。

 

 

一般的に言われていることと逆のことを言っているかもしれませんね

でも、栽培してきた上でちゃんと根拠があるので公にしちゃいます。

 

まず

コノフィツム ブルゲリ(Conophytum burgeri)について

この記事内に

 

 

土壌は石英質の砂地で、現地へ行った友人の話ですが

一見、乾ききった土地のようでも10~15cmも掘れば

水がにじんで来る状態のようです。

 

 

と記載してあります。

これはけして根がカラカラには乾かないということです。

 

そしてブルゲリは他のコノフィツムに比べて

根張りが少なく、根の再生も若干遅いです。

これも根を活発に広い範囲に広げなくても

水を得られる環境にある植物であることを示していると思っています。

 

それではなぜ、水分で腐りやすいと言われるのでしょうか?

 

もちろん通風不足による蒸れからの雑菌による例もあると思います。

しかし私はもっと決定的な理由があるのではと思い

友人から聞いた自生地の状況を参考に、ひとつの仮説を立てて試してみました。

 

それは、

 

ブルゲリの根は他のコノフィツムよりも乾燥に弱く

根を乾かしてはいけないんじゃないだろうか?ということでした。

 

この想像はほぼビンゴだったようで

培養土が乾ききることを厳禁とした結果

 

実生苗や親苗の生存率が大幅に増加しました。

 

うちでは酷暑を乗り切るための安全策と思っていた

休眠期の断水が苗をダメにする原因だったわけです。

 

これは要するに土中の過度の乾燥状態が長期間続いた為、

メセン類のただでさえ細い根がすべて枯れていたのですね。

 

中には成長期を迎え潅水が始まると共にタイミングよく再発根して

生きながらえる子もいますがなかなかそう上手くいかない場合も多いです。

ということは、

枯れた根は機能しませんから根無しの状態に水遣りをするということです。

土中の水分は当然、過多の状態が続きます。

 

例えば、サボテンや多肉植物の場合

輸入したての根無しの苗や、胴切りしてやっと乾燥したばかりの苗に

植え付け後、いきなり水遣りはしませんよね。

その作業を結果的にやってしまっていたのです。

 

培養土の乾燥させ過ぎから根を枯らしてしまう、そこに水遣り

結果的にブルゲリは吸水することが出来ず根元から腐る

 

休眠期、成長期を問わず

これが原因でブルゲリは水遣りをすれば腐ると思われている面もあると思います。

 

 

 

これは実生苗が大量にないかぎり真似しないほうが無難だと思いますが(笑)

極端な例を挙げますと

私は実生後、3~5年間くらいずっと。開花球になっても

トレーに水を張りっぱなしで腰水栽培をすることさえあります。

とうぜんコケ類が生えてきますが、お構いなしでコケ類をベッドにして

ブルゲリはご機嫌に育っています。

 

※ゼニゴケだけは苗を覆ってしまうので排除します

 

 

 

もう一例

これはブルゲリを大きく育てることが上手い地元の仲間ですが

やはり水遣りは鉢の表面が乾く以前にやるくらい頻繁で

休眠期もけして土中はカラカラにはしないと言っていました。

それも金魚の水槽の水を頭からかけていたそうです。

 

 

 

 

 

以上のことから

 

日当たり、通風と環境がある程度整えば

ブルゲリは非常に水を好み、乾燥させないほうが良い植物だと言えます。

 

また、本体の直径が5cmくらいになると自重により根元が弱くなる場合もあるので

大きな苗は根元周りを少し気にした方が良さそうです。

 

それと、余り寿命が長い植物ではないので長期栽培するには

やはり自分の環境に合った実生育成の方法を会得して欲しいと思います。

 

私の方法がすべての人に当てはまらないことは当然ですが

ブルゲリ栽培に行き詰っているならば、ひとつの方法として

参考にしていただけたらと雑記的に記事を書いてみました。

 

 

 

 

最後に、、、

 

 

あなたの好きなブルゲリナメクジも大好物です。

ブルゲリだけを狙って実生苗畑が一夜で食害による全滅ということも

過去に何度も経験しました。

食害対策も忘れないようにしてくださいね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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