コノフィツム ブルゲリ ( Conophytum burgeri ) 他とはちょっと違う実生方法

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コノフィツム ブルゲリ ( Conophytum burgeri ) 実生と栽培

 

ブルゲリの実生方法や栽培方法は人気種であるがゆえに

自分が今更書かなくても、という感じがハンパないですが、、、(笑)

 

初めてブルゲリ実生をしてから、数世代の交代をさせてきた経験から

独自の見解もあるので自分を振り返る意味でも、記事にしておくことにしました。

 

現在私が栽培しているブルゲリはすべて自家採種にて繁殖を重ねてきた物です。

当然、ダメにしてきた苗も数知れずということになりますが

その中で得られたものも数多く、何かしらのヒントにはなると思っています。

 

ということで

私の実生方法を解説していきます。

 

 

 

 

鉢と培養土

 

この辺のやり方は皆さんと大差ないと思いますが

特にブルゲリの子苗のうちは水滴のようでとてもデリケートです。

ですから、私は余程のことがない限り発芽後1年は苗を動かしません。

 

そしてメセン類は総じて、、、ブルゲリも例に洩れず

成球になってもとても根の細い植物です。

発芽して間もない苗ならなおさらですから

1年動かさずに済むように鉢の大部分は通常の培養土を入れ

表土に薄く無肥料の赤玉土(芝の芽土)の極小粒を敷いています。

 

ただし通常の培養土とは言っても基本的な配合のままですと目が粗すぎるため

メセン類用は2割くらい赤玉土の極小粒も混ぜ込んだものを必要な時に作ります。

 

元となる培養土             左側から表土の赤玉極小粒を敷いてます

 

 

ココで重要なポイントは

表土の厚さはできるだけ薄く5mmを越えないようにすることです。

 

厳密に5mmというわけではありませんが

大体それくらいでメセン類や種子の細かな品種は

根が培養土の素材の違いを察知するのか、

表土と培養土の境目で根の伸長を止めてしまう場合がありました。

 

 

私は実生に限り鉢の再使用はしていません、、、って

育った苗が不潔な鉢でも構わないと言う訳ではありませんが

清潔な物を使いたいので、安価で使い捨てが出来る

9cmと7.5cmの角プラのスリット鉢を100~300個まとめ買いして使用しています。

 


EGスリット鉢 9cm 角型 モスグリーン 100個セット プラ鉢 富貴蘭 長生蘭 EG90
私がいつも実生に使用している物で、こちらから購入も出来ます。

 

 

このEGスリット鉢はビニールポットよりも硬さはあるため

移動や作業もしやすく、

また

腰水の場合の水の吸い上げも速いですし

給水用のトレーにもピッタリ並べやすいので

特に実生時に使いやすいものです。

 

あえてデメリットを上げるとすれば

材質が薄い分、若干光線を通してしまうようで

日の当たる面の内側にアオコが付く場合があることくらいです。

 

これで種子を蒔く準備ができたので

いよいよ蒔いていきます。

 

 

 

 

播種、管理

 

 

ブルゲリの種子を蒔く時期は大体8月末から9月半ばくらいで

まだ暑さは残っているものの、吹く風が秋らしくなってきたな、と

感じられる頃に蒔いています。

 

時期になったら、冷暗所に保存してあった種子を用意します。

採種してから半年くらいですので発芽能力は大して変わりませんが

私は、種子の保存はすべて冷蔵ではなく冷凍保存してます。

 

冷凍か冷蔵かに関しては賛否両論ありますが、私は冷凍派です。

 

それでは画像を交えて解説していきます。

 

 

 

1.保存してあった種子を用意します。

ブルゲリのような細かな種子の場合は特に殺菌消毒はしていません。

 

 

 

 

 

 

2.種子を蒔く鉢を充分に鉢底から給水します。

 

 

 

 

 

 

3.細かな種子はどうしても一箇所にまとまって蒔かれやすいので

二つ折りにした紙に少量づつ種子を取り分散して蒔くようにしています。

少量づつとはいっても、写ってるだけでも50粒は軽く越えてますね(笑)

 

 

 

 

 

 

4.なるべく種子が均等に表土に広がるように、

紙の縁を軽く叩くようにして分散して蒔いていきます。

 

後は明らかに種子が厚くなってしまった場所は爪楊枝で軽く広げたりもしますが

実は播きっぱなしの方が多いです、、、

 

 

播種方法は以上で、至って普通です。

 

 

 

 

 

育成管理

 

 

鉢に蒔かれたブルゲリの種子は

約半年から1年は温室内棚下でも比較的明るい場所で

表面が乾かないように腰水で管理されます。

 

適期に蒔かれて早いものは1週間くらいから発芽が始まります。

 

どの品種にも結構な確立で言えることなんですが

最初に発芽するのは1~数粒なんです。

 

それから後続部隊がどっと生えてくる様を見ると

実は何かしらの感覚みたいなもので繋がっていて

先に発芽したものは、みんな発芽して大丈夫かと様子を見る

偵察隊か、となんとなく思うことがあります(笑)

 

そして発芽後の管理ですが

基本、ブルゲリ自身の成長力に任せています。

 

ナメクジ対策とゼニゴケが出そうになったら早めに除去すること、

腰水が無くなったら水足しをするくらいです。

 

その他のコケはなぜか共生関係を良好に保てる為

むしろ歓迎しています。

 

おそらく小さなブルゲリには丁度良い湿度を保ってくれることと

根が活発に活動できる為の酸をバランス良く排出していると考えられます。

ゼニゴケだけはブルゲリ自身を覆い隠してしまうために排除します。

 

 

私はやむおえない場合を除き、最初の脱皮が終わり

ブルゲリらしさが出るまでは植え替えをしません。

 

なぜならば、脱皮前と脱皮後では

活着率が結構違うからなんですよね、、、

 

一度目の脱皮前は普通の植物でいう双葉の時期です。

その時期に植え替えという根に大きな負担がかかることは

植物にとってもストレスでしかないと考えています。

 

やむおえない場合、、、根が土中に潜り込めない苗や

その他移動させなければならない状況になった場合に

渋々やるくらいで、落ちる苗まで無理して育てようとはしていませんが

 

参考までに、微小な苗の植え替え方法は

コノフィツム ブルゲリ(Conophytum burgeri) 初めての植え替え

に記載してあります。

 

 

ですから、種を蒔いた後は大した作業はせず

乾かさないように水やりくらいで1年間過ごします。

 

発芽後の最初の1年は休眠期間というものがありません。

夏場も成長を続けますので、通風はしっかりして

蒸し暑がらせないようにしてください。

 

 

 

 

1.最初の数粒、発芽が始まりました

 

 

 

 

 

2.その後、数日でこんな感じに。これからまだ続々と発芽は続きます。

 

 

 

 

 

 

3.数週間後、日数が経つにつれて成長しているのがわかります。

最初の頃に根がむき出しになっていた苗も

成長につれて根を潜り込ませ、自力で起き上がってきます。

 

 

 

 

 

4.発芽後数ヶ月、年を越したあたりの様子ですね。

わずかに紅葉している子も見られます。

 

 

 

 

 

5.夏も順調に成長を続け、既に脱皮が見られる状態です。

かなりブルゲリらしくなりました。

 

 

 

 

 

 

6.ほぼ1年経ちました。

脱皮した皮も浮き上がり、これから成体と同じ管理に移る時です。

いよいよ植え替えを待つ状態ですね。

 

何事も無ければ1年でこれくらいは育ちます。

 

本当に順調にいけば、最初の1年だけは

このサイクルが実は半年になりますので、

実生一年後には2回目の脱皮を迎えることもあります。

 

 

 

 

 

まとめ

 

栽培環境が大切なのは今更言うまでもありません。

 

サボテンが好むような蒸し暑い温室ではなく

(それだって空気の流通は必要ですが)

 

日当たり、風通しは最低限必要な条件です。

環境がある程度整っていれば

ブルゲリの実生はそれほど難しい物ではありません。

 

ただその後の管理方法で成長に差がつくのはどの植物でも同じですが

ブルゲリが難しいと言われる所以として

かなりの水を必要とする反面、根際の過湿に敏感であるという

相反する条件が要求されるというところにあります。

 

ただこの条件は実生1年生の苗にはそれほど当てはまらないようで

しばらくは腰水栽培で全然大丈夫です。

逆に乾燥させてしまい根が枯れた場合の方が再発根に時間がかかり

復活できない場合が多々みられます。

 

事実、私のところでは2~3年経ち、単独植え苗でも

腰水栽培のブルゲリは普通にありますので

少なくとも実生から1年くらいのブルゲリは乾かさない管理が必要です。

 

 

その後の管理方法に関しましては

 

関連記事

コノフィツム ブルゲリ(Conophytum burgeri) 初めての植え替え

も合わせてご覧ください。

 

 

 

 

 

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